捌章:列島要塞 ―― 国土を巨大な脳へと変える「配置の戦略」
十八章 列島要塞 ―― 国土を巨大な脳へと変える「配置の戦略」
漆章で完成した「光のチップ(TPU v10)」。 この最強の脳細胞を、日本列島のどこに、どう配置するか。 これは単なるサーバーの設置ではない。国土全体を神経網として再定義する、国家改造計画である。
■ マザー・ブレインの要塞化
光チップ同士は、光ファイバーで繋げば数百キロ離れていても「隣にあるのと同じ速度」で同期できる。 我々はこの特性を活かし、中枢脳を分散配置する。
場所:原発直結(Nuclear Link)
拠点は 福井(若狭)、新潟(柏崎)、九州(玄海・川内) の3エリア。 原子力発電所の敷地内にデータセンターを建設する理由は3つある。
- 最強の地盤: 原発は日本で最も強固な岩盤の上に建っている。
- 純粋な電力: 発電機直結のノイズレスで無限の電力。
- 鉄壁の守り: 警察・海保による24時間警備で、物理的なテロを寄せ付けない。
目的:BCPと対南海トラフ
東京・大阪などの太平洋側を避け、日本海側と九州に分散させることで、将来必ず起きる「南海トラフ巨大地震」で首都が壊滅しても、国家の知能(記憶と学習)だけは無傷で生き残る。
■ 国家神経系の「4階層構造」
インフラを人体の神経系になぞらえて再編する。
- 【階層1:大脳】(3箇所の原発要塞)
- 全ての学習・長期記憶・深層思考を行うマザー・ブレイン。国家ベクトルDBの本体。
- 【階層2:脊髄】(47都道府県DC)
- 県単位のインフラ制御と広域ルーティング。災害時の地域司令塔。
- 【階層3:神経節】(1,700市町村・出先機関)
- 住民票、納税、信号制御などの「実務」を処理。個人情報はここで分散管理され、国へは上げない。
- 【階層4:末梢神経】(全家庭・全企業)
- ここが革命の本丸だ。
■ 「Home-8」配布計画:PCの消滅
政府は、全5,000万世帯と全400万事業所に、光SoCを搭載したエッジ端末を無償配布する。
① 家庭用ユニット「Home-8」(光ゲートウェイ)
- スペック: アナログ光演算ユニット(8レーン)+ 制御用デジタルCPU。
- なぜ「8」なのか?:
- **「色は混ぜられても、仕事は混ぜられない」**からだ。
- 光演算は「ながら作業」ができない。そのため、家族がバラバラの用途(Web会議、動画生成、セキュリティ監視)で使うために、物理的に**8本の独立した「光のパイプ」**を用意した。
- 役割:OSからの解放:
- モニターを繋げば、AIがその場でUIを生成する。これまでの「重たいWindows PC」は不要になる。
- 既存PCを繋げば、AIがデータを吸い出し、整理してセキュアに保管する。
- 役割:光の蛇口:
- 従来のルーターのようなパケット処理は行わない。
- マザー・ブレイン(原発)とは**「光のトンネル」**で直結されており、遅延ゼロで思考できる。
- (※海外サイト閲覧時のみ、レガシーなパケット通信に自動変換する)
② 企業用ユニット「Biz-256」(400万台)
- スペック: 光TPU(256レーン)を搭載したサーバーラック型。
- 役割:
- 社員数百人が同時にアクセスしても、物理レーンが分割されているため、1人1レーンを占有できる。
- 企業の機密情報を社外に出さずに、オンプレミスで超高速学習させる。
③ モバイル・モビリティ(スマホ・車)
- 連携:
- スマホやEVは、単なる「ディスプレイ兼センサー」となる。重い処理は全て、家の「Home-8」か、街の「Biz-256」が光通信(IOWN/6G)経由で肩代わりする。
■ 国家リソース配分と「Google搾取計画」
構築された 2.5 ZettaFLOPS の計算資源は、以下のように配分される。
- 【国産利用:60%】:国民生活、行政、産業用。
- 【予備・研究:20%】:大学、軍事転用枠。
- 【Google貸出枠:20%】:ここがビジネスの肝だ。
悪魔の契約(The Deal)
我々は、Google(米国)にのみ、この20%(0.5 Zetta)を貸し出す。MicrosoftやAmazonには1ビットたりとも貸さない。
- 兵糧攻め: ライバル(OpenAI)を電力不足で干上がらせ、Google一強体制を作らせる。
- 家賃と上納金: その見返りに、Googleには巨額のインフラ利用料(家賃)に加え、**グローバル売上の数%(レベニューシェア)**を日本政府へドルで支払わせる。
なぜGoogleは従うのか?
- 死の回避: 今のGoogleは電力不足でOpenAIに負けかけている。日本のリソースを使えば、一瞬で逆転し、世界シェアを独占できる。
- Opexの魔法: 日本のチップは電気代が1/1000だ。たとえ日本政府に上納金を払っても、米国でシリコンチップを回すより、最終的な利益率は跳ね上がる。
エネルギーの勝者が、経済の勝者となるのだ。