いまこそ枡塵情報はあてにしないで温度と湿度を自分で管理しよう
テレビのワイドショーで連日恐怖を煽られるばかりで、具体的な予防法に目を向けていないことはありませんか? 私たちが自分の家庭で今すぐできる最も確実な自己防衛のひとつが 「温度と湿度の管理」 です。
空気の乾燥は気道粘膜の防御機能を低下させ、ウイルスを含む飛沫核や花粉を空中に長く浮遊させます。家中の各部屋に温湿度計を置いて 「室温20〜22℃前後・相対湿度50〜60%RH(絶対湿度11g/m³以上を狙う冬場は21〜22℃・60%RH前後が目安)」 を維持し、トイレや浴室の温度差をなくすことで、ウイルス感染・喉や肌の乾燥・花粉・結露カビ・ヒートショック・熱中症のリスクを科学的に低減できます(※感染症対策としては換気や手洗い等の基本対策との併用が前提です)。
※本記事は2021年時点の実機導入記録です。記事内で紹介している「エンペックス気象計(EMPEX)」のアナログ温湿度計・気圧計は、2023年のメーカー廃業に伴い現在は市場流通在庫限りとなっている点にご留意ください。
- 自宅の各部屋で温度・湿度管理をしていない方
- ウイルスの感染予防・喉の痛み予防・肌の乾燥予防・花粉の飛散予防をしたい方
- 冬場のヒートショック予防や結露によるカビ発生予防、夏場の熱中症予防を徹底したい方
自己防衛としての温度・湿度管理の科学的根拠
流行病の基本的な防衛とインフルエンザ予防の応用
マスコミの言うことは煽りばかりで当てにならず、毎日陽性者数を発表する暇があるなら、具体的な予防方法を耳にタコができるまで放送・啓発すべきです。また、列車内で大声で喋り続けている外国人観光客や在住者に対しても、母国語で日本国内のマナーや感染予防ルールを周知すべきでしょう。
何万人収容の施設であっても「誰も喋らない・全員不織布マスクをしている・顔や物にむやみに触らない・換気と湿度が保たれている」なら感染リスクは大幅に下げられます。
私はこれに加えて、厚生労働省が以前から示している インフルエンザ予防の「適度な湿度の保持」 を徹底しています。
3) 適度な湿度の保持
空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50〜60%)を保つことも効果的です。
ウイルスの大きさと乾燥が招くリスク
冬場にエアコンを稼働させると、室内の湿度は簡単に30%RH以下まで下がります。なぜ乾燥が良くないのでしょうか?
- インフルエンザウイルスの大きさ: 80nm〜120nm(0.00008mm〜0.00012mm)
- ノロウイルスの大きさ: 23nm〜35nm(0.000023mm〜0.000035mm)
- コロナウイルスの大きさ: 約100nm(0.0001mm)
- PM2.5の大きさ: 2.5μm(0.0025mm)
ウイルスは遺伝情報を持ってはいますが生物ではなく微粒子です(参考:細菌とウイルス〜人に病気を起こす病原体、違いわかりますか?〜|群馬大学大学院医学系研究科(PDF))。
これほど小さいため、空気が乾燥していると咳や会話で出た飛沫の水分が瞬時に蒸発して極小の「飛沫核」となり、いつまでも空中に浮遊し続けます。一方、適切な湿度があると飛沫の乾燥・微細化が抑えられ、水分を含んだ重さ(約2μm=0.002mm以上など)を保って速やかに地面へ落下しやすくなります(一定以上の絶対湿度下ではインフルエンザウイルス等の生存率自体も低下し、花粉も同様に水分を含むと床へ落下するため人が歩いても舞い上がりにくくなります。参考:花粉、黄砂、PM2.5、ウイルスの大きさを比較|田中内科クリニック)。
さらに、喉の粘膜が乾燥していると粘膜が傷つき、繊毛が空気中の埃やウイルスを吸着して痰として外へ排出する感染防御機能が衰えてしまいます。結局のところ、最後は自分の身体の免疫システム(白血球、樹状細胞、マクロファージ、T細胞、B細胞)と粘膜バリアで守るしかありません。
理想は相対湿度50〜60%・絶対湿度11g/m³以上
厚生労働省のQ&Aにある通り、相対湿度を50%RH〜60%RHに保つ ことが基本です。さらに厳密には、空気中1m³あたりに何グラムの水蒸気があるかを示す「容積絶対湿度」で11g/m³以上を保つ ことでインフルエンザ等の流行を抑えやすくなります。

絶対湿度11g/m³以上を満たすためには、室温25℃なら50%RH(約11.5g/m³)、23〜24℃なら55%RH(約11.3〜12.0g/m³)、21〜22℃なら60%RH(約11.0〜11.7g/m³)の加湿 が必要だと分かります(逆に室温18〜19℃以下だと約68〜70%RH以上の加湿が必要となり結露やカビが発生しやすくなるため、室温も21〜22℃前後に保つのが合理的です)。
熱中症・カビ・結露・ヒートショックの予防
- 熱中症予防: 夏場の温度と湿度の管理(暑さ指数WBGTの把握)は熱中症予防に直結します(参考:熱中症予防×コロナ感染防止|厚生労働省(PDF))。
- カビ・結露予防: 湿度70%RH以上になるとカビが発生しやすくなり、また室温と外気温の差で窓枠や壁面の温度が「露点温度」以下になると結露が発生します。A&Dの環境温湿度計(AD-5685) や testo(テストー)の温湿度計(testo 608-H2 / 608-H1 / 622) なら 露点温度 を直接表示できるため、「窓の表面温度が何℃以下になると結露するか」が一目で分かります(参考:カビ対策マニュアル 実践編|文部科学省、屋内外の気温差が3℃でも結露発生の可能性あり!|ウェザーニュース)。
- ヒートショック予防: 冬場に暖かい居間から寒い脱衣所・浴室・トイレへ移動した際の急激な温度差はヒートショックを引き起こします(参考:冬場に多発!温度差で起こるヒートショック|済生会)。我が家では居間を20〜22℃(湿度50〜60%RHで体感温度を上げる)にしつつ、浴室暖房機やトイレ・脱衣所の速暖ヒーターを併用して部屋間の温度差を最小化しています。
我が家の各部屋に設置している温湿度計・加湿器・ヒーター一覧
各部屋によって温度や湿度がどれだけ異なるかをリアルタイムに把握するため、我が家では家中に温度計と湿度計を置いています。
各部屋の温湿度計(洗面台・トイレ・玄関・寝室・台所)
すべての温湿度計を一堂に並べてみると、機種によって多少の個体差はありますが、相対的に湿度が上がっているか下がっているかを正確に把握できます。

洗面台

トイレ

踊り場(温湿度+気圧計)

玄関(温湿度+気圧計)

ベッド脇

寝室(CO2+温湿度計)

ベッドサイド(時計+気圧)

食卓(CASIO infoView)

台所

水槽の横

加湿器(スチームファン蒸発式と他方式の違い)
室温が20℃前後でも、湿度を60%RH前後にすると体感温度が上がり暖かく感じます。
我が家のメイン加湿器は、水を100℃に加熱して雑菌を完全に死滅させる 三菱重工冷熱のスチームファン蒸発式加湿器(roomist) です。
三菱重工冷熱 スチームファン蒸発式

ハイブリッド式加湿器

超音波式加湿器(据置)

車載ポータブル超音波式加湿器

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スチームファン蒸発式加湿器(最もおすすめ): 加熱ヒーターで水を100℃に沸騰させてから蒸気にするため、雑菌は死滅し、カビや雑菌を部屋にばら撒く心配が一切ありません。
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ハイブリッド式加湿器(気化式+温風): 2週間おきにトレイ(受け皿)を洗浄し、加湿フィルターの水垢(カルキ)はクエン酸等で手入れし、オフシーズンには完全乾燥させてからしまわないとカビや雑菌が発生します(※クエン酸などの酸性洗浄剤と塩素系漂白剤を同時に混ぜると有毒な塩素ガスが発生するため絶対に併用せず、機種の取扱説明書で指定された洗浄剤・手順を守ってください。参考:お客様サポート|ダイニチ工業)。
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超音波式加湿器(要注意): 本体が安く消費電力も低いですが、水を加熱せずそのまま微粒子にして飛ばすため、毎日水を替えて洗浄・乾燥させないと、タンク内で繁殖した雑菌やレジオネラ菌を部屋中にばら撒き「加湿器肺炎」などの健康被害を引き起こします。マメに毎日洗浄・乾燥できない方は絶対に選んではいけません(参考:「超音波式加湿器」の微生物汚染の実態|FRIDAYデジタル)。
ヒートショック対策ヒーター(トイレ・浴室)
トイレには デロンギのセラミックファンヒーター(トイレにいる時だけ速暖で使用)、浴室には マックス(MAX)の電気式換気乾燥暖房機 を設置し、入浴前やトイレ利用時の急激な温度変化を防いでいます。
トイレ用(デロンギ セラミックファンヒーター)

浴室用(MAX 電気式換気乾燥暖房機)

プロ仕様の温湿度計(絶対湿度計・黒球式・testo)
さらに正確な管理を行うために導入している計測器です。
タニタ 黒球式熱中症指数計

A&D 絶対湿度計(AD-5686 / AD-5687)

testo 608-H2 / 622 高精度温湿度計

- タニタ 黒球式熱中症指数計: 外出時や庭作業時、太陽や地面からの輻射熱を含めた正確な暑さ指数(WBGT)を割り出せます。
- A&D くらし環境温湿度計(AD-5686 / AD-5687): 相対湿度精度±5%RH(25℃・30〜69%RH時)、測定間隔20秒で、ウイルス対策の指標となる「絶対湿度(g/m³)」と屋内の暑さ指数(WBGT)を常時表示してくれます。
- testo(テストー)高精度温湿度計: 産業・研究用計測器メーカーであるtesto社の 「testo 608-H2(湿度精度±2%RH、測定間隔18秒)」 と 「testo 622(湿度精度±2%RH、測定間隔10秒、気圧・露点表示付き)」 です。圧倒的な精度と反応速度で、部屋の湿度変化と露点温度を正確に捉えます。
国産不織布マスクによる喉の保湿・防衛
冬期にマスクなしで過ごすと咽頭粘膜が乾燥して荒れやすくなりますが、マスクを着用することで呼気の水蒸気がマスク内に留まり、喉の乾燥を防げます。ウレタンマスクは冬期の保湿・ウイルス防御には向かないため、我が家ではシャープ、ユニ・チャーム(超立体・超快適)、興和(三次元マスク)などの信頼できる 国産不織布マスク を使用しています。
まとめ
テレビの偏ったワイドショーに振り回されるよりも、一次情報や論文を自分で調べ、自宅の「温度と湿度」を科学的に管理する方がはるかに確実な自己防衛になります。
温度と湿度を適正に保つだけで、喉の痛み予防・肌乾燥予防・花粉飛散予防・ウイルス感染予防・ヒートショック予防・熱中症予防・カビ防止 という非常に多くの健康メリットが得られます。ぜひ各部屋に温湿度計を置いてみてください。
ヒーター火災防止・車載加湿器管理・設置高さの安全鉄則
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狭いトイレ・脱衣所のセラミックヒーターは可燃物離隔とホコリ清掃を徹底 :ヒートショック対策でトイレや脱衣所に小型セラミックファンヒーターを置く際は、温風吹出口の近くに トイレットペーパー・タオル・マット・衣類などの可燃物が触れないよう十分な距離を確保 し、延長コードを使わず壁コンセントへ直接挿してください。また背面吸気口に綿ボコリが溜まると過熱の原因になるため、こまめに掃除機で吸い取りましょう。
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車載ポータブル超音波式加湿器は「毎回水替え・降車時は排水乾燥」を厳守 :車内で使う小型の超音波式加湿器は、水を入れっぱなしにして駐車すると車内温度の上昇で一気に雑菌が繁殖します。乗る時だけ新しい水道水を入れ、 降りる時は残った水を捨ててタンクと吸水芯を乾かす運用 を徹底し、ミストがナビ画面や電装スイッチへ直撃しない向きに配置してください。
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温湿度計は「床上1.0〜1.5m」に設置し、秋口に電池を一斉点検する :床面近くは冷気、天井近くは暖気が溜まり、直射日光やエアコンの直風・外壁面では正しい室温・湿度が測れません。生活空間の高さ( 床上1.0〜1.5m前後 )の空気が循環する内壁側に設置し、冬本番前の毎年10〜11月頃に家中の温湿度計の電池残量を一斉チェック(ボタン電池式は乳幼児やペットの誤飲防止も確認)しておくと1年中正確に管理できます。
我が家で温度と湿度を管理するのに使っている商品たち
※エンペックス気象計(EMPEX)のアナログ温湿度計・気圧計は2023年のメーカー廃業により現在は流通在庫限りとなっています。